こんにちは。この記事ではたくさんのランナーが行う代表的なトレーニングである”インターバル”トレーニングの目的、効果的な練習方法について徹底的に解説をしていこうと思います。インターバルではなく、もう少し長い距離の練習の効果を知りたいという方は別の記事で記載しておりますので、そちらを参照ください。
最大酸素摂取量(VO2MAX)とは?
1分間に体重1キログラムあたりで消費される酸素量の最大値です。
ランニングのパフォーマンスは3つの要素(最大酸素摂取量、無酸素性作業閾値、ランニングエコノミー)でほぼ説明されますが、最大酸素摂取量はそのうちの1つです。体内で酸素をより多く消費することが出来るようになれば、それだけエネルギーを産生することが出来ます。
どうやって最大酸素摂取量を上げるのか?
ランニングに限定していえば、“インターバルトレーニング”がもっとも目的に即した練習といえます。”インターバルトレーニング”には”ショートインターバル”と”ロングインターバル”があります。”ショートインターバル”と”ロングインターバル”の違いは簡単に言えば急走期の長さです。”ショートインターバル”の急走期は300mや400m程度で、”ロングインターバル”だと800m~1600m程度です。
代表的なトレーニング例
もっともポピュラーなインターバルトレーニングは1000mx5本r=200mjogではないでしょうか?(rはrestのことで、緩走期のことです。)ショートインターバルでは400mx10本なんかが、典型的なインターバルトレーニングだと思います。ただ私はこれらのインターバルトレーニングを行う上で非常に注意すべきポイントがあると思うのですが、あまりこのことを理解しているランナーは少ないように見えます。インターバルの注意点を考慮した練習にしないと、ただただつらい練習になるので非常に勿体ないと思います。
“インターバル”トレーニングの注意点
ロングインターバルとショートインターバルについてそれぞれの異なる注意点があります。
ロング”インターバル”の注意点
まずロングインターバルから説明していきます。
突然ですが皆さんは次の練習のうち、インターバルトレーニングとしての効果(最大酸素摂取量向上)が高いのはどちらの練習だと思いますか?1000m×5本を例にとります。
①3本目までペース設定を守れたが4本目,5本目とペースがダウンしてしまった。
②ハーフマラソンのレースペースで1000mx5本を設定どおりこなした。
このケースは②を答える人が多いと思いますが①が正解です。
ダニエル氏のランニングフォーミュラに記載されているインターバル練習の効果とは,最大酸素摂取量に到達している状態で走った時間の累計時間だとしています。また最大酸素摂取量に到達する速度はレースで約11分間持続できる速度だとしています。だいたい5000mのレースタイムにおける、1000mの平均の速さ-3秒くらいです。(例5000m17分30の人なら1000mの平均の速さは3分30ですので、最大酸素摂取量ペースは3分27付近です。)
また最大酸素摂取量ペースで走りだしてから最大酸素摂取量状態に到達するには約2分かかるといわれているため、3分27秒で練習した時の練習効果は1分27秒となります。下にロングインターバル時の心拍数のグラフを載せました。赤い矢印の範囲が正味の練習効果となっております。話を戻すと②のケースでは、言い換えればハーフマラソンのレースペースでは、ペースが遅いため、最大酸素摂取量に到達する時間が0となりインターバルとしての練習効果はないといえます。グラフでいうと最大酸素摂取量時の心拍数に届いてない状態が②のケースに該当します。一方で①のケースでは4本目、5本目は最大酸素摂取量ペースに到達していないものの、3本目までは最大酸素摂取量ペースで走れている時間を確保できます。そのため①のケースの方が練習効果は高いといえます。
よってロングインターバルで大事なことは5000mのレースタイムにおける、1000mの平均の速さよりちょっと早いペースで走るかつ最後まで設定を守れるように緩走期を調節することです。
ロングインターバル時のポイント
ショート”インターバル”の注意点
最大酸素摂取量に到達するペースで走りだしてから、最大酸素摂取量状態に到達するには約2分かかると述べた時点で「じゃあショートインターバルは400mとかだから2分も走らないよね?効果ないじゃん?」そう考えたあなたは鋭い考え方です。しかし安心してください。ショートインターバルもちゃんと効果があります。ショートインターバルの注意点はレストを短くすることです。
レストを短くすることで最大酸素摂取量時状態に到達するまでの時間を早めることが出来ます。最初の数本は確かに最大酸素摂取量時の心拍に届かないのですが、4本目を過ぎたあたりから最大酸素摂取量時の心拍に届きだす時間が確保できます。急走期が短いからといってロングインターバルのペースより急激に早く走る必要はあまりないため、調子が悪いときはこちらの方が自信につなげやすいと思います。
今回の記事は以上になります。
こちらの記事で自分に合った適切なペース設定にてインターバルトレーニングに取り組んでみてはいかがでしょうか?
・参考文献
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