皆さんこんにちは。なかなか練習にマンネリが来ていて新しい練習を取り入れてみたい!そんな風に思っている方はいらっしゃらないでしょうか?
この記事では、ヒルトレーニングについて簡単に説明した後、ヒルトトレーニングの行い方、効果、導入タイミングについて「リディアートのランニング・バイブル」に基づいて解説していきたいと思います。
ヒルトレーニングとは?
坂ダッシュのことです。5度から15の斜度がある坂をダッシュする練習になります。坂の長さは300m以上あると好ましいです。無酸素能力を育成するための下準備として行います。登り坂だけでなく、下り坂も含めるのがおすすめのトレーニングとなります。
ヒルトレーニングの行い方
まず2km程度ウォーミングアップをおこなったら、軽装に着替えます。その後坂をダッシュしていきます。接地はつま先から行い、そのまま踵に体重をかけつつ、かかとがつま先よりも低い位置にきたら、アキレス腱が伸びるのを感じながらつま先でキックします。キック後は、体が真上に持ち上がるようなイメージを持っておこなってください。
ヒルトレーニングは、無酸素能力を育成するための下準備として行いますので、追い込みすぎないようにして、体調と相談しながら徐々に負荷をあげていきましょう。
ヒルトレーニングの効果
リディアードは、ヒルトトレーニングは、速く走るための体を作り、スピードを高めるための要素を育成する効果があるとしています。スピードを高める要素は以下のものがあります。ヒルトレーニングによってこれらの要素が改善・向上していきます。
- 柔軟性
- フォーム
- 筋収縮((等張性)アイソトニック)
筋収縮について補足すると、等張性と等尺性の2パターンがあります。等張性とは、筋肉にかかる負荷(張力)が一定のケースです。例えば直立の状態からダンベルを持ち上げ、脇に引き上げる動作を考えてみてください。この場合、腕にかかる負荷は、常にダンベルの重力になりますね。このように張力が運動中一定になる筋収縮のパターンを等張性の筋収縮といいます。一方等尺性とは、関節から筋肉の長さが一定のケースです。例えば壁を押すケースを腕で押す動作を考えてみてください。この動作では、力を増加していっても、関節の位置から押している手までの距離は、変わらないですね。このようなケースを等尺性の筋収縮といいます。
またヒルトレーニングには、ランニング中の腹痛予防にも効果があります。下り坂では、横隔膜に圧力がかかり、横隔膜と骨格をつなぐ靭帯が引っ張られるため、柔軟な腹筋がついてきます。最初は、おなかが痛くなってくるかもしれませんが、継続してトレーニング効果が出てくるうちになくなってくるでしょう。
ヒルトレーニングの効果を上げる導入タイミング
有酸素能力を十分に上げてから行います。フルマラソンの練習に向けた有酸素系の練習(ジョグやペース走、距離走)を中心に行った後に少しずつ導入していくのが良いと思います。ダニエルズフォーミュラでいうところの第一フェーズから第二フェーズに該当すると思います。ダニエルズフォーミュラでいう第一フェーズや第二フェーズの説明は、過去記事「【2023年度版中級者必見】レペティショントレーニングの効果の最大化」の「実施時期」の章でも取り上げておりますので参考にしていただければと思います。
有酸素能力を先に引き上げた方が良いと考える理由は2つあります。一つは怪我の予防で、もう一つはスピード練習の効果そのものを引き上げることです。1つ目は、今後こなしていくスピード練習で怪我をしないように準備をし、ケガの耐性をつけるためです。2つ目は、体感の話になります。スピード練習をやると効果が出てくると思いますが、効果の持続性が、有酸素系のトレーニングを十分に行なわないで取り組んだ時に比べて高いように思います。インターバルなどのトレーニングは速攻性があるものの、ジョグや距離走を十分に行っていない状態でおこなうと、2週間程度あたりからいまいち体の調子が上がってこない感覚があります。これは、ジョグや距離走をしていないと体に毛細血管が十分に作られていないことにより、インターバルで酸素を体内に効率的に取り組む能力を向上させようとしても、打ち止めがはやくきてしまうのだとおもいます。
参考文献
本記事では、以下の文献を参考にしております。
・お役立ち情報
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