18分切りを達成して17分30(3’30/km)くらいまで走れるようになった方が,狙ってくるのがこの辺りのタイムだと思います。この辺りで低迷し始めた方が、考えるべき練習、またその他の練習以外の側面について自身の経験をもとに記載したいと思います。
現状の確認
17分30秒当たりの実力の人は,おそらく以下のようなメニュー強度ではないかと思います。
- 3分50~4分で12km
- 1000m*5本(3分20/km~3分30/km)
いかがでしょう?当たらずとも遠くない強度だと思います。この辺りの水準に達している方が、上記のようなメニュー強度を実行していること前提に、考えたいことを記載していきます。
- 練習の余裕度はどのくらいか?
- 練習の継続度はどのくらいか?
- 練習構成の割合はどのような状況か?
- 練習以外の側面はどのような状況か?
練習の余裕度はどのくらいか?
皆さんは、普段練習は、練習仲間とこなすことが多いのではないでしょうか?同一のメニューをおこなう場合でも、練習の余裕度は、実力によってばらつきがあると思います。練習が終了すると「3分50秒で12kmこなせた!!」などの達成感があるため、意識しづらい部分ではあるのですが、練習の余裕度は、定期的に振り返る必要があると思います。タイムが伸び悩んでいる人は、まず現状の位置を把握するために、タイムトライアル以外の手段として練習の余裕度という観点を持つのがいいと思います。練習の余裕度があるケースと練習の余裕度がないケースを考えていきます。
練習の余裕度がないケース
まず練習の余裕度がないケースですが、練習の余裕度がない場合、練習の強度が変わってまもない状況か振り返ってみてください。そうでないケースというのは、ある程度同じ強度を継続していても練習の余裕度が変わってこないケースに該当するかとおもいますが、そのケースはなかなかに厄介で、練習以外の側面が原因で走れないことが多いです。”練習以外の側面はどのような状況か”で後述いたします。
練習の余裕度があるケース
次に練習に対して、余裕度があるケースについて記載していきます。練習の余裕度があるのに5kmのタイムが出せないケースですね。自分の経験上最もありがちな伸び悩みのケースは、やや遅いペース走を繰り返しているケースです。17分30~18分ちょっと切る当たりの方が、是非試してほしい練習について記載しますと、
- 6km(3分35~40/km)
- 1500m * 3(/km)
2つの練習メニュー例を提案させてもらいました。1点目は、20分~25分程度耐えられる速度感であることがポイントです。よく書籍では20~30分耐えられる強度が推奨されますが、個人的には20分に寄せるスピード感のほうが効果が高いと思います。別記事「効果絶大】10kmで36分切りを狙う最短方法の考察」では、2つめの練習に、ペース走を記載しておりますが、5000mは、1000mのインターバル程度の強度(最大酸素摂取状態になる強度)で走る距離を増やしていくことが練習では重要なため,1500m*3をお勧めしております。これはVO2max(最大酸素摂取量)を引き上げることが狙いです。VO2max(最大酸素摂取量)を引き上げるために、1000mのインターバルを練習に選択するのはもちろんありなのですが、最大酸素摂取量への刺激時間がやや短いため、1500m*3の練習の方がおすすめです。
練習の継続度はどのくらいか?
続いてみていきたいのが、練習の継続度になります。現在行っている練習の設定ペースは、練習強度を上げてから間もないのか、ある程度の期間継続しているのか?です。ある程度の期間とは、1か月半が目安です。スポーツの原理には、過負荷の原則がありますので、同じような負荷を継続していると伸び悩んできます。ただこの記事を見ている方なら、ほとんどの方は、同じ負荷の練習ばかりだと伸び悩むことなどご存じのことと思います。私が伝えたいのは、設定ペースをちょっとずつ上げようとか、距離を伸ばそうとかそういうことではなく、期分けの重要性について注意喚起していきたいです。
練習を6週間以上行っているのに、伸び悩むケースは2つのパターンに陥っていることが多いです。
私が注意喚起していきたいのは太字のケースです。
- 同じ設定タイムと距離を続けている
- 一年を通して同じような練習のスケジュールになっている
一年を通して同じような練習のスケジュールになっているというのは、例えば、月曜日は、12km3分50ペースでおこなって、水曜日はインターバル1000m*5本 3分30ペースでおこなうという具合です。このように1週間の中で予定が決まっていて、それを一年中繰り返しているようなケースの方は、同じ刺激に慣れすぎてしまっていることでタイムが向上しない状況になっている可能性が高いです。このような方におすすめしたいのが、期分け(ピリオタイゼーショリオタイゼーション)という考え方です。
練習の期分け(ピリオタイザーション)
期分けとは、練習の目的に応じて、トレーニングを期間分けすることです。期分けの目的は、前述したように、同じ刺激を避けることの他に、目標とするレースにでて、ピークを持ってくるための調整という意味合いもあります。ダニエルズフォーミュラによると練習の期間分けには、第Ⅰフェーズから第Ⅳフェーズまで存在し、Easyペースでジョギングを継続(第Ⅰフェーズ)してからレペティショントレーニング(第二フェーズ)、インターバルトレーニング(第三フェーズ)、閾値トレーニング(第四フェーズ)をメイン練習として構成している内容になります。【2023年度版中級者必見!】レペティショントレーニングの効果の最大化の記事でも触れておりますのでご参照いただければと思います。
レースまでの期間で逆算して、適宜第Ⅰフェーズを省いたりしながら各々の練習の目的に合わせて期間分け、各期間のフェーズの長さを決定していただければと思います。
練習構成の割合は?
こちらはあまりいないのかもしれないですが、自分の好きなメニューばかり行っている方はいませんでしょうか?例えば練習のほとんどがペース走10kmで残りはジョギングだったり、10kmのタイムトライアルばかりしたりといってた具合です。ランニングのパフォーマンスは、最大酸素摂取量、無酸素性作業閾値、ランニングエコノミーの3つの要素で7割説明できるといわれております。最大酸素摂取量状態で走ることが出来る時間は、レースだとおよそ11分間だといわれております。5000mで17分切りを狙う人でしたら、11分間というのは、半分以上の時間になりますので、最大酸素摂取量を引き上げることを練習の第一優先として考え練習を組む必要があります。とはいえ練習構成が、偏っていると必要な3つの要素が鍛えられませんので、5kmで17分切りを目指す方の場合ですと、無酸素性作業閾値と最大酸素摂取量向上を狙ったトレーニングの割合は3:2くらいがよいと思います。週の半分以上の練習を最大酸素摂取量向上を狙った練習にしてしまうとかなり体にダメージがあるかと思いますので3:2くらいが適正だと思います。
練習以外の側面はどのような状況か?
「練習の余裕度はどのくらいか」の部分で言及させていただきましたが、ある程度同じ強度を継続しているにも関わらずなかなか余裕度が上がってこない方のケースは、練習以外の側面で走れていないことが多いです。経験上ありがちなパターンは2パターンあります。
- 栄養に偏りが生じている
- ケガの前兆
栄養に偏りが生じている
どちらも同じくらいの割合でありますが、私のケースでは、やや前者が多かったかなという印象です。食事面ってホントに馬鹿にならないんですよ。私はラーメンがすごく好きで、ある程度同じ強度を継続しているにも関わらずなかなか余裕度が上がってこなかったです。これはラーメンが悪いというよりは、1日の食事のバランスが悪かったです。ラーメンやパスタ等は、一品料理になりがちで、しかもたんぱく質が少なくなる傾向にあります。体の回復にはたんぱく質は非常に需要な栄養素になりますので、別の食事で肉や魚を摂取するようにしてください。朝や昼は、動物性のたんぱく質を、夜の食事では、次の食事まで時間がありますので、植物性のたんぱく質(豆腐や納豆など)を摂取するのが良いかと思います。たんぱく質云々述べましたが、自炊する頻度を増やすだけでも効果を感じられますよ。
ケガの前兆
このケースもまあまあるんですよね。ちょっとだけ痛いけど休むほどではないかなって時ありませんか?また痛みが出てきたときと走れなくなってきた時期が一致してはいませんでしょうか?この段階だとまだ怪我までは、いたってないので、改善はしやすいです。この状況にある方は、3日~5日程度で痛みを消すことを意識してください。人間の最大酸素摂取量は5日までは下がってこないので、ジョギングにして本練習を抜くなどで対応してみてください。とにかく練習が継続できない状態になるのが最もタイムを上げるのに時間がかかってくることなので、早期の対応が重要です。靴を見直すのもいいかと思います。自分は圧倒的にNikeが好きです。最近のNIKEの靴はクッション性が高くて反発が気持ちいいですね。
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