リディアードランニングバイブルに学ぶ効果的なスピード練習

練習

皆さんはスピード練習というとどんなイメージがわきますか?「辛くて過酷」「息がゼーゼー上がる」「長い距離の練習より短いから楽」このように、感じ方やイメージは様々かと思います。

 本記事では、ランニング界の名コーチ、アーサーリディアード著「ランニング・バイブル」に記載されたスピード練習について取り上げ、効果的なスピード練習について解説していきたいと思います。

リディアードが考えるトラックトレーニング

リディアード氏は我々のスピード練習という概念をトラックトレーニングという言葉で表現しております。トラックトレーニングを取り組む前に念頭に置きたい注意点、トラックトレーニングを行っている時の注意点をはじめに説明し、練習法などについて言及していこうと思います。

トラックトレーニングに入る前提やトラックトレーニング時の注意点

トレックトレーニングに入る前の前提やトラックトレーニングの注意点は、下記4点です。

  • スタミナの土台を積み上げること
  • 予定より速い設定ぺースで行わないこと
  • トラックトレーニングは10週間かけること
  • 無酸素トレーニングは血液pH値を元に戻してから行うこと

スタミナの土台を積み上げること

最初の「スタミナの土台を積み上げる」ことについては、リディアードだけでなく名コーチダニエルズ氏の期分けの取り方(レペティショントレーニングが導入される前段階の第ⅠフェーズでEペースによる有酸素運動を提唱している)からもうかがうことが出来ます。アーサーリディアード著「ランニング・バイブル」では、有酸素能力を高めるトレーニングがもっとも重要なトレーニングとして位置づけられており、スタミナの土台がなければトラックトレーニングのスケジュールは価値がないとまで言っております。どちらの名監督も有酸素系の能力を非常に重視していることがうかがえます。

予定より速い設定ぺースで行わないこと

次に速いペースで行わないことについてです。理由は、速いペースで走ることによって体調がピークを迎える可能性があるため、その時その時のペース設定は、守っていくことが重要のようです。

トラックトレーニングは10週間かけること

10週間というのはもちろん一つの目安にしか過ぎないのですが、リディアード氏によると、重要なことは「忍耐強く漸進的に進歩」していくことであるとしています。有酸素系の土台がしっかりしていれば、10週間以内でもよい成績を収めることはできるが、10週間が長すぎることはないとおっしゃっております。

無酸素トレーニングは血液pH値を元に戻してから行うこと

phとは、なかなか耳にしない内容かとおもいますが、水素イオン濃度のことです。phが低いのは体が酸性に偏っていることを示します。激しい運動をするとphの値が低くなるため、要は十分に休息してから無酸素トレーニングをしましょうという内容になります。リディアード氏が語る無酸素トレーニングは、スピード能力そのものを上げるものではない点に注意しながら読んでください。リディアード氏が言及する無酸素トレーニングとはレペティショントレーニングなどを指しております。スピードそのものを上げるトレーニングはスプリントトレーニングとして区別されておりますのでご注意ください。今後自分でも書籍を買ってランニングを学ぼうという方はそのあたりを念頭に置いて読まれると読みやすいかと思います。

トラックトレーニングに利用できる方法

この章ではトラックトレーニングに利用できる、トレーニング方法について取り上げ、それぞれの練習の仕方について記載しております。

ファルトレク(スピードプレイ)

森の小道、公園、芝生などを利用して、ある一定時間速めの走りをして、一定時間遅めの走りをするという無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたトレーニングです。インターバルトレーニングの自由度を上げて、不整地で実施するというイメージに近いかなと思います。速めの走りのスピード設定、遅めの走りをする時間の調節によって、疲労の回復を促す効果も期待できますし、無酸素トレーニングとしての効果も期待できます。ファルトレクはこちらのサイトも参考にしております。

パウラウフ(インターバルリレー)

これはあまり聞いたことがない人も多いのではないでしょうか?パウラウフとは、リレーのチームを作り、決められた時間内にどれだけ距離をかせぐことができるかを競うトレーニングになります。例えば3人1チームで400mを30分間でどれくらい周回出来るかなどのケースです。

タイムトライアル

特定の距離を全力で実施するトレーニングになります。到達度チェックしたい試合期におこなってこれまでの練習の振り返りをするテストのような維持付けになります。

スタート練習

スタート時の反射神経を研ぎ澄まし、「位置について」→「ドン」までの間隔が異なるときにこの練習が効果的になります。

レペティショントレーニング

速く走ってはゆっくりとしたジョグで休息をとり再び速く走ることを繰り返して、無酸素能力を養成するトレーニング血液中のphを下げることを目的とするため、休息のための時間や、速く走る距離、その時間などを定めるのではなく、自身の体感に合わせて実施して十分だと感じるところでやめればよいとのことです。ダニエル氏の考えるレペティションとの差異を知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみていただければと思います。

シャープナー

例えば50mを全力ダッシュ50mを流しで20回繰り返すなどの練習です。体調を崩さないように、無酸素能力を維持させながら調整していくためのトレーニングです。週の初めに行うと効果の上がりやすいトレーニングです。

スプリントトレーニング

いわゆる短距離選手が行うような練習で、ドリルなどをおこなってから速いスピードが出る走法を身に着けていくトレーニングです。

参考文献

以上になります。今回参考にした書籍はこちらになります。いずれもランニングしてタイムを向上させたい人が持っておきたい1冊かと思います。

・リディアードのランニング・バイブル [ アーサー・リディアード ]

・ダニエルズのランニングフォーミュラ 第4版

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