近年ランニングブームにより若い世代からご年配の方まで幅広い世代でランニングが親しまれるようになりました。ランニングにはまってマラソン練習を始めたけれど、タイムが伸びなくなってきた、ゆっくりのペースなら耐えられるんだけど試合ペースになると一気に苦しくなる、そんな方にはぜひレペティショントレーニングを試してみてほしいです。この記事ではレペティショントレーニングとはどういうトレーニングなのか、どんな注意点があるのかについて述べ、その効果、行うべきタイミングについて説明し、個人的に効果絶大だと思う練習方法について紹介したいと思います。インターバル練習のほうに興味がある方は別の記事で効果的な練習内容を記載しておりますので、ご覧ください。
レペティショントレーニングとは
レペティショントレーニングとは全力に近いスピードで休憩をはさみながら行うトレーニングのことです。例えば,400mを全力ダッシュして3分休むことを1セットとして考え、5セット行うなどの練習です。インターバルトレーニングとの違いは間を完全に休むことです。インターバルトレーニングではセット間の心拍数を下げすぎず、最大酸素摂取量ペースを維持する時間を稼ぎ、最大酸素摂取量の向上を図るのに対し、レペティショントレーニングでは完全に休むことでスピードをより出力させ、ランニングエコノミーの向上を図ります。どれくらいのペースに設定ペースにするかについては「Running Calculator」というアプリで自分の目標ペースを入力すると算出できます。
ポイント
レペティショントレーニングの目的
「レペティショントレーニングとは」の部分で少しふれてはいますが、
目的はおもに2つあります。
①スピードの向上
②ランニングエコノミーの向上
スピードの向上
スピードというのは非常に曖昧な言葉ですね。私が考えるスピードというのはレース中に発揮する最大のスピードという意味合いで話を進めることにします。
例えば、1500m5分で走る人が,レース中に80秒、82秒、84秒,54秒(400m-400m-400m-300m)というラップで走る場合は、54秒の区間(3分00秒/1km)のペースの向上を狙う練習となります。
ラストスパートを出すときの出力スピードを上げる練習というイメージですね。
ランニングエコノミーの向上
速いスピードを出すことが、なぜランニングエコノミーにつながるのか?この疑問は、今でももっています。10年以上陸上長距離ブロックに所属して練習した「体感」の話で恐縮ですが、自分の感覚では、速いスピードで走ると使用できていなかった筋肉群が動員されて、何度も速いスピードで走ることを繰り返していると、意識しなくても筋肉の動員率が上がって楽な力で速いスピードが出るのだと思います。また地面に着地した足は、速いスピードを出す時にすぐに切り返さないといけないために(着地した足は地面を速くけりだす必要があるために)足が流れにくくなり、ランニングエコノミーが上がるのだと思います。
レペティショントレーニングの目的
行うべきタイミング
レペティショントレーニングを行うべきタイミングは、大きく2つの時期があるかなと思っております。
①ジョグや距離走などの長距離走を中心とした期間の次の期間
②トラックレース1~2週間前
①はジョグや距離走を中心にしたメニューをおこなってからレペティションをおこなうのが良いと思っていて、インターバル練習をおこなう期間よりは前の期間で重点的に行うと良いと思います。
インターバル練習はかなり実際のレースに近い練習なので、そのスピードを楽に感じるようにするために、レペティショントレーニングをあらかじめ積んでおき、効果的にインターバルトレーニングに移行することを目指しましょう。
また②についてですが、試合前は基本的に体の疲労が残らないように距離を落としてスピードを維持することがコンデイショニングのカギになりますので、試合のスピード感覚を忘れないように,短めのレペティショントレーニングをおこなうのがオススメです。
レペティショントレーニングを行う上での注意点
レペティショントレーニングを行う上で注意点が2つあります。
特に①は個人的に重要だと感じております。
①ジョグの期間で走りこんでから行う
②完全に回復してから走る
レペティショントレーニングの注意点①ジョグの期間で走りこんでから行う。
ジョグの期間で走りこんでいると、走るための筋力が少しずつ出来上がってきます
ジョグの期間で走りこまずにレペティショントレーニングを行うと、スピードに耐えうるだけの体が出来上がってない状態で筋肉に負荷をかけることになり、ケガのリスクが非常に高くなります(筆者はけがをしました)。練習スピードは段階的にあげていくことを本当に強くお勧めします。段階的に練習を積まないと練習の失敗する確率は増えますし、無理したフォームが出来上がりますし、本当に注意した方がいいとおもいます。
レペティショントレーニングの注意点②完全に回復してから走る
レペティショントレーニングはランニングエコノミー、つまりランニングの経済性をあげるための練習になりますので、無理したフォームで走るのは本末転倒なのです。
出来るだけ1本1本クリアな状態で、高いスピードを維持することに意味があるのです。
そういう意味ではこの練習は集団で行うことに不向きな練習なのです。なぜなら集団で練習するときはセット間の休憩を決めることがほとんどなので実力の高いものはクリアな状態で次のセットを迎えることが出来ますが、回復しきれない選手はフォームが崩れた状態からスタートして高いスピードを維持することが出来ず練習効果がうすれてしまうからです。
集団で行うときは実力の低いものに回復時間を合わせる必要があると思います。
個人的に効果が高いと思うレペティション練習例
・練習例1
1000m×1本
この練習は病み上がりや、しばらくランニングやってなかったけど1週間後駅伝に参加することになったなどの応急処置として行います。短い距離だと結構ごまかしがきいたりします(笑)
・練習例2
2000m×3本
これは結構ガチな練習なのでしっかりアップしてください。
ペースの目安は、1000mのインターバルの練習のペースより1kmあたり3秒速いペースです。このスピードで2000m走ります。この練習ではとにかく2本目をリラックスして走ることを意識しましょう。3本目はなんとかなります。
・練習例3
(1200m + 600m + 300m)x2セット
こちらもガチです。距離が違うこともまたきつく、柔軟に走りを切り替えることが求められます。
1200mがしっかり走れてくるようになると5000mのトラックレースが非常に楽に感じるようになってきます。最後の300mは全力で出し切るようにしましょう。この300mの練習で試合で出し切る感覚をしみこませるとgoodです。
今回の記事は以上です。
少し主観的な記述が多くなった気がしますが、ランニングエコノミーを向上できるように
是非取り組んでみてください。また練習後には非常にケアも大切になってきますので、疲労回復も忘れずに練習がんばってください。練習後のケアに関しては、「練習効果をつぶすな!ランニング後の”疲労”を速攻で抜くための休養方法は6つ」で紹介しておりますのでそちらも参考にしてみてください。ではでは
参考文献
本記事ではこちらの内容を参考にしております。ランニングを本気で取り組みたい人は、是非読むことをお勧めいたします。
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